民泊運営で意外と多いのが、「それ、誰の責任?」という清掃トラブル。
髪の毛が残っていた、リネンが足りない、備品が壊れていた、チェックインに間に合わなかった。
多くの場合、原因は“ミス”そのものより契約時の認識ズレにあります。
この記事では、民泊清掃で起こりやすいトラブルと責任範囲の考え方、契約前に必ず確認・明文化すべき項目を整理します。
民泊清掃で起きやすいトラブル例
まずは、現場でよく起きる代表例を把握しましょう。
- 清掃後なのに髪の毛・汚れが残っていた
- リネンやアメニティが不足していた
- ゴミが回収されていない/分別ミス
- 鍵が開かず入室できない
- チェックアウト遅れで清掃が間に合わなかった
- 備品や家具が破損していたが報告がなかった
- 臭い(生乾き・排水口・タバコ等)が残った
これらは「清掃業者の責任」と思われがちですが、実際は契約内容次第で責任の所在が変わります。
基本原則:責任は「契約で決めた範囲」に帰属する
民泊清掃では、法律よりも業務委託契約の内容が最優先されます。
口約束・慣習・常識は通用せず、書かれていないことは“やらなくていい”扱いになるのが現実です。
だからこそ重要なのが
- 「どこまでが清掃業者の責任か」
- 「どこからがオーナー(運営側)の責任か」
を事前に線引きすること。
【重要】契約前に必ず確認すべき責任範囲チェック項目
①清掃品質の責任範囲(どこまでが“完了”か)
曖昧にしがちだが最重要ポイント【確認すべき内容】
- 清掃完了の基準(チェックリストの有無)
- 髪の毛・水垢・拭き筋などのNG基準
- 写真報告の有無と撮影範囲
- 再清掃が必要な場合の条件と費用負担
例として、清掃基準未達→業者責任で再清掃。
基準を満たしているがゲストの主観クレーム→原則オーナー対応。
②リネン・アメニティ不足の責任
「置いてある前提」が一番揉めやすいです。明確にすべき点は
- 補充対象の一覧(紙類・消耗品・アメニティ)
- 補充数量の基準
- 在庫不足時の連絡義務
- 補充忘れ時の責任の所在
ポイントは業者が補充管理するなら業者責任。
オーナー支給・在庫切れならオーナー責任。
③ゴミ処理トラブルの責任
自治体ルール×民泊で混乱しやすい。
- ゴミ回収まで業務に含むか
- 分別基準の責任者
- ゴミ置き場が使えない場合の対応
- ゲストの置き去りゴミは誰の責任か
線引き例として通常ゴミ→清掃業者。
ルール違反・大量ゴミ→追加料金 or オーナー判断。
④チェックアウト遅れ時の責任分担
清掃トラブルの“火種No.1”です。
事前に決めるべきことは
- 入室できなかった場合の待機時間
- 待機・再訪の追加料金
- 清掃時間が足りない場合の対応
- 次のゲストに影響した場合の責任
重要な事はチェックアウト遅れは清掃業者の責任ではないと明文化するのが一般的。
⑤鍵・入室トラブルの責任
鍵が原因で清掃できない=誰の責任?
- 鍵管理の担当(業者orオーナー)
- キーボックス番号変更時の連絡義務
- スマートロック不具合時の対応
- 入室不可時の報告フロー
⑥備品・家具の破損発見時の責任
「壊した責任」と「見逃した責任」は別。
- 破損発見時の報告義務
- 写真提出の要否
- 原因特定前の修理・処分判断
- 未報告によるクレーム発生時の責任
⑦臭い・特殊汚れの扱い
通常清掃に含めると揉めますので必ず分ける。
- 通常清掃で対応する臭い(換気・軽度消臭)
- 追加対応扱いの臭い(嘔吐・タバコ・ペット等)
判断基準と追加料金
トラブルを防ぐ契約書・合意書の作り方ポイント
- 「原則」「基本的に」など曖昧表現を使わない
- 箇条書きで責任範囲を書く
- 追加料金が発生する条件を具体化
- 写真報告・連絡義務を明記
緊急時の連絡先・判断権限を決める
難しい法律文書にする必要はなく、運用ルール表+合意でも十分効果があります。
よくある勘違い(オーナー側)
- 清掃業者=全部責任を取ってくれる
- 常識的にやってくれるはず
- 言わなくても分かる
民泊清掃は業務委託。「書いてあることだけやる」のが前提です。
まとめ|揉めない民泊清掃は“責任の線引き”で決まる
民泊清掃トラブルの多くは、誰が悪いかではなく誰がやると決めたかの問題です。
- 清掃品質
- リネン・備品
- ゴミ
- 鍵
- チェックアウト遅れ
- 破損・臭い
これらを契約前に一度でも言語化・合意しておけば、運営ストレスもゲスト評価低下も大きく防げます。